風になったあのこ



天気のよい日
とても天気のよい日

突然雨が降りだして
空は青いままなのに

ああ、たしか
狐の嫁入りって言っていた
こんな天気のことを

あなたとの別れを、
空も哀しんでいるわ

でも
そう言ったらあなたきっと
あたしそんなにいい人間じゃない
なんて言って笑うわね

(あたしがしんだら

棺には青いばらを敷き詰めて
落日のなか見送ってね

ほねは飛行場に放して
橙の外灯が、好きだったから
あの花の糧になる

生まれ変わったら、なんて
未練はないから
もう会えないかもね

あたしはあたしのまま
ここでおしまい
なんてのも素敵でしょ

ねえ、あたし
幸せでした

ので、あまり悲しまないで
最後くらい
かっこよくいさせてよ

元気でね
ばいばい)

たくさん泣いて泣いて
あなたを送ったわ

もう、哀しくはない

でもね風が吹くと
あなたの歌を聴きたくなるわ

あなたの残した
描きかけの油彩や夢のつづき
言葉や、そうね
思い出すなんでもない日

寂しいなんて
恥ずかしくていえないけど

天気のよい日
とても天気のよい日

あなたはやっと風になった