灰色と懐古



スカートの短さが際立つ

灰色の裾を揺らして黒板に舞う。

懐かしい。

しかし厳めしい教師の質問攻めにうんざりした。

どこへ行ったのかふたりは消えてしまって私は広すぎる街を人混みを掻き分けながら探した。

途方もなく開けたコンクリートは足に馴染まない。

寂れた路地に入り程なくふたりは見つかったが灰色は濡れ鼠。

きれいとは言えない水溜まりに身を埋めてしまったらしい。

固く黙り込んでしまった彼女の手を引いた。


前にも来た揚げ物の美味しい民宿を訪ねる。

赤い屋根、擦れて見えない字、アスベストを蓄えていそうな天井。

しかし女将はきれいな良いひと。

女将は次々料理を出し、私たちはどんどん食べた。


灰色が風呂を借りている間に連れと相談をした。

帰れば厳めしいあいつに大目玉をくらうだろう。

ずっとこの優しい懐古感の中にいたい。

古くさい宿で古くさく歳をとりたい。


しかし連れは誠実に帰り道を探す。

私はただただ厳めしい教師の拳骨が内申を殴り潰すのが怖くてたまらなかった。


明日なんて来なくていいのに